第1章:眼瞼下垂症の分類と種類
眼瞼下垂症とは
「眼瞼下垂症の達人」として10年前に本ページを作成しましたが、皆様から「
ここ数年 『
ここで難しいのがまぶたのどの部分が
というのか?この判断が難しいようで、一般の方々だけでなく医師も誤った診断をしてしまう事態がしばしば生じております。
眼瞼下垂症の程度による分類




正常な開眼 | 瞳は全体の80%ほど露出し、瞳孔(瞳の中の黒い部分)は100%露出している状態 |
軽度下垂 | |
中等度下垂 | |
強度下垂 |
眼瞼下垂症の種類
を上げる筋肉(
を上げる筋肉の動きは問題がないタイプ」の2種類に分けることができます。
「筋肉の動きが悪いタイプ」の殆どは
「筋肉の動きは問題がないタイプ」には
またそれとは別にまぶたの筋肉の動きとしては正常なのにも関わらず眼瞼下垂症の様に見えてしまう偽眼瞼下垂症
という状態のこともあります。
筋肉の動きが悪いタイプ | 先天性眼瞼下垂・重症筋無力症・外眼筋ミオパチー など |
筋肉の動きには問題がないタイプ | 腱膜性眼瞼下垂・コンタクトレンズ性眼瞼下垂 など |
眼瞼下垂症の様に見えてしまう状態 |
上眼瞼皮膚弛緩症・眉毛下垂(前頭筋皮膚弛緩症)・眼瞼痙攣 など |
筋肉の動きが悪いタイプ
生まれつき目の開きが悪い人が殆どで、目が細く、おでこのシワが深く、視野が狭いのが特徴です。殆どの場合は視力に問題ないと考えられていますが、
筋肉の動きには問題がないタイプ
普通にまぶたが開いていた人のまぶたが徐々に開かなくなってしまった状態です。後天性に起こる
偽眼瞼下垂症
次の第2章で眼瞼の解剖としくみについて考えてみましょう。
院長よりアドバイス
眼瞼下垂症の治療方針を決めていく上で目を開く筋肉が動くのか動かないのかは非常に重要です。また、筋肉の動きに問題がない偽眼瞼下垂症という正常な状態にも関わらず眼瞼下垂症と診断され眼瞼下垂症手術を受けると目の開きが大きくなりすぎてしまったりすることがあります。眼瞼下垂症の様に見える場合、何処にどの様な問題があるのかを正確に診断することが良い結果を出すための第一歩になります。形成外科専門医のいる外来へご来院頂き、何が原因で目の開きが悪くなっているのかを精査することをお勧め致します。

関連治療
- 第1章:眼瞼下垂症の分類と種類
- 第2章:眼瞼・まぶたのしくみ
- 第3章:眼瞼下垂症の原因とタイプ
- 第4章:眼瞼下垂症の自覚症状
- 第5章:眼瞼下垂症の治療法「信州大学式」・「松尾法」
- 第6章:老人性眼瞼下垂と治療法
- 第7章:眼瞼下垂症と偽眼瞼下垂症
- 第8章:先天性(生まれつき)眼瞼下垂
- 第9章:眼瞼下垂症例写真
- 第10章:眼瞼下垂症のよくある質問と回答