眼瞼下垂の匠 第10章:眼瞼下垂症のよくある質問と回答
施術に関するQ&A
- 01. 眼瞼下垂手術後のキズは残りますか?
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残るか残らないかというと、傷は残ります。ただし目立つか目立たないかというと、殆ど目立なくなります。
- 手術直後〜1週間(抜糸まで):
腫れもあり、キズは赤く、多少の段差などがあることもあります。 - 抜糸後〜1ヶ月目:
キズが少しずつ赤くなり、固くなります。丁度1ヶ月目がキズの赤みが一番強く、固くなり不安になる時期です。 - 1〜3ヶ月:
赤みや固さが少しずつ落ち着いてくる時期です。3ヶ月目になると赤みがピークの半分程度に落ち着いてきます。 - >3〜6ヶ月:
更にキズは落ちつき、赤み、固さともにほとんどみとめなくなります。6ヶ月もするとキズは薄い線として周りと自然に馴染むところまで回復します。
※キズは赤く目立つ時期でも、目を開けている時は二重の奥に隠れて見えません。見えるのは目を閉じている時だけです。
- 手術直後〜1週間(抜糸まで):
- 02. 眼瞼下垂手術後はどの位の期間腫れますか?
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- 術後1〜2週間:
腫れが強く目立つ時期です。 - 術後1週間:
抜糸になりますが、抜糸の時点ではまだまだ腫れています。 - 術後2週間:
泣いた後程度の腫れまで落ち着いてきます。 - 術後1ヶ月:
術後の経過診察がありますが、腫れは気にならない程度になっています。 - 術後2〜3ヶ月:
周りから見て気にならない程度になります。 - 術後3〜6ヶ月:
最終仕上がりに近づき左右差なども消失していきます。
- 術後1〜2週間:
- 03. 眼瞼下垂手術の合併症について教えて下さい。
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- 内出血:
大きさの大小はありますが、ほぼ必発なのが内出血です。打ち身と同じことなので1〜2週間で自然吸収されてなくなります。 - ドライアイ:
目がしっかりと開くようになるため、眼球の露出する面積が増えます。また、まぶたが手術後しばらく腫れるため、眼球から浮いてしまい隙間ができたりします。このため、ドライアイ様の症状がでます。 兎眼 :
眼瞼下垂症の手術により目が開きやすくなりますが、逆に閉じにくくなることもあります。閉じなくなることを兎眼 と言います。かなり大きな隙間が生じて治らない場合は再手術となることもあります。- 左右差:
左右の目の開きが完全に揃わずに左右差が残ってしまうことがあります。見た目に気になるレベルであれば再手術が必要となります。ただし、生まれつきまぶたの筋肉があまり動かないタイプの眼瞼下垂の場合は左右差が取り除ききれないことがあります。 - 過矯正/矯正不足:
目が開きすぎてしまったり(過矯正)、或いは目の開きが十分に開かないこと(開瞼不足)があります。 - 視力変化:
眼瞼下垂手術前の状態によっては手術後視力が手術前と変わりメガネやコンタクトが合わなくなることがあります。決して視力が悪くなるということではなく、視力測定をしてみると視力が良くなっていることもあります。
- 内出血:
- 04. 眼瞼下垂手術後の痛みはありますか?
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はい。眼瞼下垂手術後には痛みを多少感じることがあります。しかし、多くの場合は軽度〜中等度の痛みがある程度のため、処方された鎮静剤を飲まれない方もいらっしゃいます。ただ、消炎鎮痛剤のため、内服をちゃんとした方が腫れが強くならずに抑えられます。
- 手術当日〜翌日:
麻酔が切れた後には「ズキズキ」「ヒリヒリ」などの軽い痛みを感じます。クーリングすることで痛みは落ち着きます。 - 術後2日〜3日目:
腫れや内出血などがピークになる時期で、軽い痛みを感じることがあります。 - 術後4日目以降:
痛みはほとんど落ち着き腫れによる圧迫感や違和感などを感じるかも知れません。
- 手術当日〜翌日:
- 05. 眼瞼下垂の手術で皮膚を切らない手術はありませんか?
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皮膚を切らない手術を行なっている施設もあります。ただし、眼瞼下垂の手術は「まぶたの機能を治す」ことと「見た目を良い状態にする」の2つを治す必要があります。後天性の眼瞼下垂の場合、まぶたの機能が悪くなっているだけでなく、皮膚のたるみも同時にみとめるため皮膚も切除しなければ見た目の改善が難しいことがほとんどです。
また、切開を伴う手術では組織を丁寧に必要な部分だけ治すことができますが、切らない手術では内部構造を見ることなくブラインド(盲目的操作)での手術となるため意味のない組織に糸が掛かってしまったりして合併症が生じることもあります。
- 06. 眼瞼下垂の手術は片目だけの手術も可能ですか?
- 当院では片目だけの手術は殆ど行いません。実は目の開きは左右で吊り合いを保っているのですが、片側の目を触ることで反対側に反射が起き、開き具合に変化が生じるため、両側を一度に手術を行う方が左右揃えやすく、良い結果が出ます。詳細を知りたい方は診察の際、色々とご説明できると思います。
- 07. 一重のままにできますか?
- 非常に難しい問題です。一重を形成することはできません。必ず二重になってしまいます。しかし、一重に見えるような奥二重にすることは可能です。眼瞼下垂の手術後の『二重』はまぶたを切る手術の合併症のため、一重のままにするということは非常に難しくなります。
- 08. 他医院で眼瞼下垂手術を行った後の診察はしてもらえますか?
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他院で行った手術の修正も当院院長は得意としております。
- 目の形が変わってしまった
- 三角目が気になる
- 目の左右差が気になる
- 目が開きすぎてしまった
- 目の開きが全然治っていない
- 三重になってしまった これまでも様々な症例を修正してきました。
眼瞼下垂手術後の修正手術
お気軽にお問い合わせ下さい。
- 09. 眼瞼下垂の手術後は注意することはありますか?
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- アイシング:
2〜3日は出来るだけ安静にして、目の周りを可能な限りアイシング(氷で冷やす)することをお勧めします。腫れが強くなるとその腫れが消失するまで時間を要します。なるべく腫れが強くならないように初めの2、3日はゆっくり過ごして下さい。 - 点眼:
ドライアイがあってもなくても、多かれ少なかれドライアイになりやすくなります。目が乾いているという自覚症状がなくても、手術ご1ヶ月程度までは点眼をしっかり続けることを推奨しています。
- アイシング:
- 10. 眼瞼下垂手術後は車の運転や運動はいつ頃から出来ますか?
- 車の運転は眼瞼下垂手術直後からでも可能です。視野は広がり、見やすくなるため、運転をすることは可能です。運動は可能な範囲でしない方が得策です。腫れている間に運動をすると、かえって腫れが強くなったり、腫れが引きにくくなってしまいます。
- 11. ハードコンタクトレンズをどの位の期間使用すると眼瞼下垂症になりやすいですか?
- 一般的には5〜10年ハードコンタクトレンズを使用していると殆どの人がハードコンタクトレンズ性眼瞼下垂になると言われています。しかし、早い人だと2〜3年のハードコンタクトレンズ装着で眼瞼下垂症になっている人もいます。
- 12. ソフトコンタクトレンズを使用していても眼瞼下垂症になりますか?
- ソフトコンタクトレンズの場合はハードコンタクトレンズに比べて圧倒的に眼瞼下垂症になる可能性は低いと言われています。しかし、ソフトコンタクトレンズの装着方法により眼瞼下垂症となってしまう方もいらっしゃいます。
- 13. 眼瞼下垂症の手術は民間の生命保険などの手術給付金は受けられますか?
- 生命保険会社の医療保険に御加入されている方で、『眼瞼下垂症』の診断で手術を受けられた場合、御加入の保険により異なりますが、手術給付金が受けられることが多いようです。各自御加入の生命保険会社に御確認下さい。
- 14. 眼瞼下垂症の保険適用について教えて頂けますか?
- この件については頻繁にお問い合わせいただきますが、保険適用かどうかは非常にシンプルです。”病気”として考えられるものが保険適用となります。目の開きが悪く、視野が狭くなってしまっている場合は確実に保険適用と思われます。瞳孔が100%見えていない場合がそうでしょう。
- 15. 他院で眼瞼下垂症と診断されました。四谷見附クリニックでは保険適用で手術できますか?
- 眼瞼下垂症の診断は大まかな基準こそありますが、最終判断は個々の医師に任されます。他院で眼瞼下垂症と診断された場合でも当院では眼瞼下垂症はみとめられないということもあります。また、その逆もあるかも知れません。当院では熟練した医師が眼瞼下垂の有無を正確に診断いたします。目の開きがしっかりとしている方も眼瞼下垂の可能性があります(代償期)。気になる症状などがある場合はお気軽にお問い合わせください。
- 16. 眼瞼下垂を眉下切開で治療してもらえますか?
- 最近診察をしていると多数の方に質問されます。最近では眼瞼下垂を眉下切開で治すと言っている医療機関を多々みとめます。しかし、残念ながら眉下切開では眼瞼下垂は絶対に治りません。眼瞼下垂は瞼を挙上する筋肉に問題がある病気です。眉下の皮膚を取り除くだけの眉下切開手術はまぶたのたるみを切り取る手術のことです。たるみはとれますが眼瞼下垂は治りません。眼瞼下垂を本当に治したい方は眼瞼の筋肉などを治す必要があります。お気軽にお問い合わせください。
院長よりアドバイス
目の開き方が正常に戻ります。目の奥の痛みが取れた、頭痛がなくなった、首や肩の筋肉の硬さがスーッと抜けて楽になった、などなど様々な症状が一気に改善するようです。眼瞼下垂症の程度が軽度であったとしても手術をすることで様々な症状から解放されるので、一考してみても良いかも知れません。

ページ著者紹介
- 吉川 嘉一郎( よしかわ かいちろう)
- 形成外科医 / 四谷見附クリニック院長
- 形成外科学会認定専門医
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