形成外科と整形外科
どうしても混同されがちな二つの科ですが、全く違います。
当院にも「足の捻挫」や「ぎっくり腰」で直接御来院される患者様が多くいらっしゃいます。
「形成(けいせい)外科」と「整形(せいけい)外科」、日本語だと確かに大きな差はありません。しかし、英語だと「形成外科=Plastic surgery」で「整形外科=orthopedic surgery」と全く異なります。だから、外国の方は全く間違える事がありません。
「形成外科」と「整形外科」を混同させるもう一つの要因として「美容整形」や「プチ整形」という言葉があります。「整形」というともっぱら美容整形のイメージですが、美容整形は形成外科の治療範囲なわけで・・・。これが混乱を招く大きな要因のように思います。 因に最近は「美容整形」を「美容形成」ということも多くなってきました。
『整形外科』とは怪我や病気によって損なわれた身体や運動能力の治療を行う診療科目です。 骨や関節、筋肉、じん帯、脊髄、神経などの病気や怪我の治療を中心に、リハビリテーションなども行うのが整形外科の治療範囲です。
『形成外科』では体の表面の異常の治療を主な治療範囲としています。 癌手術後の変形の治療(乳房再建)、先天性の異常や外傷による変形の治療などを行います。骨折は基本的には整形外科の治療範囲ですが、「顔面の骨折」だけは形成外科の治療範囲になります。
切れた指を繋いだりする『手の外科』という特殊な治療範囲は病院によっては整形外科であったり、形成外科であったりと守備範囲が重なる部分もあります。
「形成外科」と「整形外科」、受診にあたり難しいところはあるかも知れません。
お間違えのないように御受診頂ければと思います。